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ペルシャがパパの配達の手伝いをしていると、1枚のポスターに目を止めた。
ペルシャ「あらあ、これはなんですの?」
パパ「ん?ああ、今日この近くでマジックショーがあるみたいだな」
ペルシャ「うわあ、マジック!ペルシャったらとっても見たいですの!」
パパ「よし!お店が終わったらママを誘って行くから、ペルシャは先に行ってなさい」
ペルシャ「うわあーのぅ!ありがとうですの!」


野外会場の入口ではユーミが色とりどりの花をアーチに飾り付けていた。
ペルシャ「ふわあー、とってもきれいですの。ん?くんくん…」
バターが焼ける甘い香りに振り向くと、優がワゴン車で手伝いをしていた。
ペルシャ「クレープ屋さんですの!パパとママが来たらいーっぱい買ってもらいますの♪」
準備中の会場をご機嫌で見回していると、どこからともなく低く暗い声がペルシャの耳の奥にかすかに響いてきた。
謎の声「…てやる。壊してやる。何もかも壊してやる…」
ペルシャ「なんですの、この声?」

声のする方へ手探りで歩いて行くと、会場の裏手に広がる林にたどり着いた。
ガサガサッ!
ペルシャのすぐ後からユーミ、優、舞が姿を現した。
ペルシャ「あなた達も同じ声を聞いて来ましたの?」
「うん、でも私達以外には聞こえないみたいだね」
その時、ペルシャの中でさっき見たポスターと舞が重なった。
ペルシャ「あーっ、今日のショーに出る舞ちゃんですの!マジックやってやって!」
「声の正体をつきとめるのが先でしょ!(本当は私も見たいけど)」


謎の声「…お前達、私の声が聞こえるのか?」
未だ姿は見えないまま、声だけがさっきよりも強くふりかかってくる。
ユーミ「ええ、ハッキリと!“何もかも壊す”って一体どういうこと?そんなことをされたら、私も皆もとっても困るわ!」
謎の声「ふふん、誰が困ろうが関係無いではないか。そもそも大勢の人間が他を壊してるのだから、壊される側になったって文句は言えないだろう?」
ユーミ「それは…」
謎の声「しょせん人間ごときに私を止めることなどできん、くくく…」
嫌味な笑いを最後に、声の主の気配は消えた。
「なんなのあいつ!」 

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