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「そういえば前におじいちゃんから聞いたことがあるわ。大きなイベントには魔物が住んでいるって」
ペルシャ「どうすればあいつを止められますの?」
「そこまでは…知らないよう」
神妙な面持ちでうつむき、誰も口には出さないが、4人の思いは1つだった。
4人「(こんな時、魔法さえあれば…)」

その時4人の右てのひらに、それぞれにとっての懐かしいステッキが突如現れた。
「えっ!? どうしてステッキが…、ハッ!」
「もしかして…」
ユーミ「皆も魔法を…」
ペルシャ「使えますの?」
皆一様に驚いて顔を見合わせたが、すぐに意を決して叫んだ。「よおーっし!」

「パラリンリリカルパラポラマジカルー」天才マジシャンに変身。
「パンプルピンプルパムポップン」歌手のマミに変身。
ペルシャ「ペルッコラブリンクルクルリンクル」学者に変身。
ユーミ「パステルポップルポッピンパー」木製のドアを出した。「これはあいつの居場所にたどり着くドアよ。さあ行きましょ!」

ギィ…。4人はドアをくぐったが、場所はもとのままだ。
ユーミ「おかしいな、間違えちゃったかな!?」
ペルシャ「大丈夫、ここがあいつの居場所よ。場所はさっきと同じだけど、時間の流れの中にある一瞬という空間に今私達は留まっているの。つまりあいつはこの一瞬の中に身をひそめてるってわけ」
話し終るか終らないかのうちに、人型の黒い炎のようなものが木の陰から姿を現した。

魔物「なぜ私の居所をつきとめることができた?お前達は人間ではないのか?」
マミ「どうしてまた魔法を使えるようになってここに来られたのかはわからない…けど私達が普通の女の子だってことは確かよ!」
魔物「ふん、まあいい。どっちみちお前達に私を止めることはできん。これを見ろ!」
ホログラムのような立体映像が目の前に映し出され、その中には4人の過去の姿が鮮明に浮かんでいる。
≪周囲の注目を弟に奪われて悔しがる舞≫
≪ダイエット中に、そうと知らずお菓子を差し入れた友人に怒るユーミ≫
≪親から言いつけられた手伝いが嫌で、こっそり魔法で済ませるペルシャ≫
≪優しくなればなるほど意地悪になる、鏡の中のマミ≫
魔物「いつだってお前達がエネルギーを私に与えているのではないか」

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