マミ「ラーラーラ、ランラランララ、ラーラーラー…(初めてステージで歌った時、ハミングだけだったけど沢山の人の心を動かすことができたわ。この歌も、どうかあいつの心に届きますように…街が壊されませんように…大好きな皆の生活が守られますように…ずっとずっと守られますように…)」
そろそろ歌を力ずくでぶち壊してやろうかと思うが早いか、魔物の体に異変が起きた。
体が消えてしまいそうな強烈な不安感に襲われ、4人に近付くことさえできない。
魔物「な…なんだこの感覚は…?やめろ…歌をやめろ!」
音楽を奏でながら4人は、先程見せつけられた自分達の過去の、その続きを思い出していた。
≪家出した弟を誰よりも先に見付けて心から喜ぶ舞≫
≪心情を知った友人の手ほどきで友情を深めるユーミ≫
≪苦労の末に魔法の大切さを再認識するペルシャ≫
≪鏡の中の自分と和解するマミ≫
4人「あの時だって、改めたり、解り合えたり、乗り越えたりしてきたわ。今だってきっと…!」
魔物「やめろ!私の体が消えちまう、ぐわああーーーっっ!!!!」
一瞬にして強烈な光が広がって辺りを包み、4人は思わず目をふせた。
ゆっくりまぶたを開くと人型の黒い炎は消え、真っ白な羽をたずさえた者がキョトンとした顔で立っている。
天使「…この気持ち良さはなんだ?温かくて…体が軽くて…まるで羽が生えたみたいだ」
ユーミ「生えてるわよ!」
指をさすユーミにつられて自分の背中を見やる天使。状況を把握できず戸惑うが、胸の奥から湧き上がる言葉が口をついてこぼれ出す。
天使「さっきまでの黒い気持ちが嘘みたいに消えて…、今は何て言ったらいいか…いや、まずはとにかく詫びさせて欲しい!」
ユーミ「えー、急にそんなこと言われてもー」4人で顔と声を合わせて「ねぇー!」
冗談ぽく拒否のフリをしながらも4人共笑顔だ。
マミ「今のあなたは嘘をついてるようにはちっとも感じないもの。堅苦しいことは抜きにして、お友達になりましょうよ」
天使はホッとした笑みを浮かべた。
エミ「だけどなぜ急に黒い炎が天使の姿になったのかしら?」