エミ「そりゃあ…良くない感情を持ってしまったことは認めるわ。でもエネルギーを与えた覚えは無いわ!」
魔物「人間には私の姿が見えないからな、身に覚えが無くて当然だろう」
ペルシャ「 (学者の私にも正体が全くわからない!) あなたは一体…」
魔物「最初、私は漠然とした黒い霧でしかなかった。長年に渡って人類が負の感情、つまり負のエネルギーを生み出し続け、霧のような物質と化したのだ。そして年月が経つにつれて私は膨大な力を与えられ、ついにはこうして一生命体になったのだ」
エミ「おじいちゃんが言ってた“魔物”って、このことなのね!? 大きなイベントには大勢の思いが集まるから、魔物が生まれ易いんだわ!」
魔物「負の感情は往々にして破壊のイメージを伴う。私はイメージの具現化だからな、破壊したくてたまらないんだよ。いっそ街ごとぶっ壊せばスッキリするかもな、うわっははは!」
4人「…私の心が、…私自身があいつに力を与えていたなんて…」ガックリと肩を落とした。絶望し、うなだれた時、ふと各々の右手のステッキが目に入った。
ペルシャ「…ずっと前にこんなことがあったわ…愛の力を集めて妖精の国の氷を溶かそうと必死だった頃、愛の意味がわからなくて、どうしたらよいかわからなくて途方に暮れていたら、妖精さんが包み込むように言ったの。“魔法を大切に使ってくれたら、氷に閉ざされた世界は必ず蘇るに違いありません”って。 そう言われて思ったの、とにかくやるしかないって」
ユーミ「そ…そうよ、やるしかないわ」
エミ「今ここで自分を責めたって何にもならないもの」
マミ「街を破壊させてたまるもんですか」
4人は向かい合い、ステッキの先を重ね合わせて決意を固めた。
魔物「何を始めるかは知らないが、どうせ無駄なこと…」
ユーミ「パステルポップルポッピンパー」ポータブルのキーボードが出現。
ペルシャ「ラブリンクル」ミュージシャンに変身してそのキーボードをキャッチ。
エミ「それっ」指をパチンと鳴らすと同時に、おもちゃの鼓笛隊が舞い降りた。
ペルシャと鼓笛隊が手探りで音を奏で始めると、やがてそれは一定のリズムになり、さらにマミがハミングを重ねた。
魔物「歌なんか歌ってやがる。一体何を考えて…?」